虐げられてきた少女が、ある日突然、身代わりとして嫁ぐことになり、そこで予想外の運命に翻弄されていく物語、『身代わり婚の処方箋』。
ただのシンデレラストーリーでは終わらない、切なさとドキドキが入り混じる、予測不能な展開が魅力の作品となっています。
本記事では、そんな『身代わり婚の処方箋』のあらすじや感想をご紹介します。
【身代わり婚の処方箋~製薬王は孤独な花嫁を溺愛する】はこんな作品!
陽香先生による漫画『身代わり婚の処方箋』は、虐げられてきた少女・朱弥子が、ひょんなことから身代わりとして嫁ぐことになり、そこで様々な困難に立ち向かう姿を描いた作品です。
「最近、キュンとする漫画が読みたい!」
「ドロドロした展開よりも、じれったい恋愛模様が好き!」
そんな方にピッタリ!
困難に立ち向かう主人公の姿に、共感せずにはいられません。また、冷酷な中に優しさを垣間見せる日出鶴や、朱弥子を支える使用人のちえなど、個性的なキャラクターも物語を盛り上げてくれます!
1話~10話までのあらすじ(ネタバレ注意)
1話~2話:身代わり婚
両親を事故で亡くした朱弥子は、父の弟である裏松彦次郎に養女として引き取られる。しかし、彼女に与えられたのは窓のない一畳ほどの部屋。家族、特に長女の珠子からは虐げられる日々を送っていた。
そんな朱弥子には忘れられない思い出があった。それは幼い頃に出会った少年への恋心。いつかまた彼と会えることを願っていた。
しかしある日、珠子の身代わりとしてある人物のもとへ嫁がされる羽目になってしまった朱弥子。果たして、朱弥子を待ち受ける運命は…。
▶朱弥子の辛い境遇と少年への恋心が胸を打つ。彼女を待ち受ける運命に引き込まれる展開です。
3話~4話:過去の少年との面影
朱弥子は黒い噂の絶えない鶴丸製薬の社長・黒田日出鶴のもとに嫁ぐ。怪物という噂に反し美しい容姿の日出鶴に見惚れるも、冷たい態度に恐怖を覚える。
彼の瞳にかつて恋した少年を重ねるが、日出鶴から「これは政略結婚だ」と冷たくあしらわれてしまう。さらに朱弥子を部屋に呼び出した日出鶴は、何を言うのかと思えば、なんと服を「脱げ」と命令して…。
▶日出鶴の正体はかつて朱弥子が恋した少年なのでしょうか。これからの二人に注目ですね。
5話~6話:意を決して…
人前で裸になることを命じられ、激しく動揺する朱弥子。日出鶴の配慮に欠ける言葉に、使用人のちえも憤りを隠せない。しかし、これは必要なことだと理解した彼女は、意を決して服を脱ぎ、裸の姿を晒す。
ガリガリに痩せた朱弥子を見た日出鶴は、ある質問を彼女にぶつける。彼の質問の意味を理解した朱弥子は、子供が産めない=嫁としての価値がないと思い込んでしまい…。
▶朱弥子の痩せこけた体に胸が痛む。そんな彼女の姿を目にした日出鶴や使用人たちは、何を感じたのか。
7話~8話: 二人きりの時間
日出鶴から「食べて寝るだけの生活」を命じられた朱弥子。何か役に立ちたいと思いながらも何もできずにいた。そんなある日、使用人のちえの計らいにより、朱弥子は日出鶴と二人きりで庭を散歩することになって…。
▶使用人のちえさんが恋のキューピットすぎる。おかで散歩することになった二人ですが、ここで日出鶴の優しい一面が見られます。
9話~10話:ドキドキのハプニング
朱弥子は日出鶴から貰ったキャラメルの包み紙を見つめ、彼が初恋の少年かもしれないと考えを巡らせていた。そこへちえが部屋に入ってきて、床で眠る朱弥子を見つけて悲鳴を上げる。
悲鳴を聞きつけた日出鶴が駆けつけると、朱弥子にベッドで寝るよう命じる。しかしこれまで杜撰な扱いを受けてきた朱弥子にとって、ベッドは恐れ多い存在だった。
その夜、飲み会から帰宅した日出鶴は、またもや床で眠る朱弥子を抱きかかえてベッドへと運ぶ。そしてこの後、ドキドキのハプニングが起こってしまう。
▶日出鶴と朱弥子が急接近!?特に10話は見逃せない展開となっています。
11話~20話までのあらすじ(ネタバレ注意)
11話~12話:ついに珠子が動き出す
黒田家での生活に馴染み始めた朱弥子。そんななか、ちえの計らいで、日出鶴と二人きりで街へ買い物に出かけることになった。
日出鶴の予想外のエスコートに、朱弥子は喜びを感じていた。しかし、その様子を珠子に見られてしまう。
日出鶴と親密そうにしている朱弥子を見て、珠子は嫉妬に駆られる。いてもたってもいられなくなった珠子は、信じられない行動に出ようとしていた。
▶着々と仲を深める朱弥子と日出鶴。一方、朱弥子に嫉妬した珠子が怖すぎる!朱弥子に腹を立てた珠子はとんでもない行動に出ようとしています。
13話~14話:放っておけない
日出鶴は、自身の秘書である佐竹に珍しがられるほど、朱弥子の世話を焼いていた。日出鶴は「朱弥子と仲良くするつもりはない」と言いつつも、やはり気になるようだ。
というのも、世間体のためだけに結婚を決めた日出鶴にとって、出来れば放っておいても問題なさそうな女性を迎えたかった。しかし、実際にやってきた朱弥子はガリガリで痩せこけていて見るからに訳ありだった。
そんな朱弥子の境遇を気の毒に思った日出鶴は、彼女を放ってはおけなかった。そして佐竹に裏松家の内情を探るよう命じるのであった…。
一方その頃、裏松家では珠子が黒田家に送り込んだ女中から、朱弥子と日出鶴の進展状況を確認していた。
女中いわく二人は別々の寝室で寝ており、まだ肉体関係がないという。この報告を受け、珠子はまたもや不穏な企みを巡らせ始めるのだった。
▶ 日出鶴の不器用な優しさと、珠子の底意地の悪さが際立つ展開でした!日出鶴に買ってもらた着物を佐竹に褒められ赤面する朱弥子の反応も見逃せません。
15話~16話:膨らむ恋心
ちえから日出鶴が初恋の相手と死別し、恋愛に億劫になってしまったと聞いた朱弥子。幼い頃に出会った“キャラメルの男の子”と日出鶴が同一人物だと考えていた朱弥子は、二人が別人だと知り落ち込みます。
朱弥子が一人涙していた頃、彼女の体調がすぐれないと聞いた日出鶴が部屋へ。思わず狸寝入りする朱弥子でしたが、日出鶴には全てバレていました。
そんな朱弥子を愛おしく思いながら、彼女の手に触れ頭を撫でると立ち去った日出鶴。
日出鶴の不意打ちに驚いた朱弥子は、彼への気持ちを自覚し始めていました。しかし翌日、ちえに仕事を頼まれやる気を出していた朱弥子の元に思わぬ訪問者がやってきて…。
▶ 15話~16話の見どころは、日出鶴への気持ちに気付いた朱弥子。
初恋の人とは別人の可能性が出てきましたが、それでも日出鶴に惹かれる朱弥子が可愛らしいです♪
17話~18話:日出鶴の過去
突如黒田家にやって来た珠子は、朱弥子が嘘を吐き日出鶴の妻の座を奪ったと告白。涙ながらにちえの同情を誘い黒田家に侵入した珠子は、強気に対応する朱弥子に日出鶴が華族の令嬢を娶った理由を打ち明けます。
日出鶴の祖父はドイツ人のアルベルトで、日本で薬の開発に勤しんでいた彼はスパイ容疑をかけられるように。政府に目を付けられたアルベルトの会社は上手くいかなくなり、日出鶴に社長の座を譲り帰国してしまったと言います。
一連の話を聞いた朱弥子は、スパイ疑惑をかけられ亡くなった両親の事を思い出して…。
▶ 17話~18話の見どころは、珠子の姑息な作戦。
傷をえぐり“スパイの娘”と罵る珠子に腹が立ちましたが、本当に朱弥子の両親はスパイだったのか疑わしいところです!
19話~20話:側にいて欲しい
迷惑をかけたくない朱弥子は黒田家から去ろうとしますが、事情を悟ったちえが制止。今夜は日出鶴が帰宅できない事を理由に珠子を追い出すと、また改めて出直すよう促します。
佐竹から黒田家の様子を聞きながらも仕事を続けようとしていた日出鶴ですが、朱弥子が浦松家に戻ろうとしていると聞き動揺。慌てて帰宅した日出鶴が目にしたのは、荷造りをする朱弥子の姿でした。
使用人たちが寂しがっている事を理由に朱弥子を引き留めようとしたものの、彼女の決意は変わりません。焦った日出鶴は朱弥子を抱きしめると、様々な理由を付けて引き留めて…。
▶ 19話~20話の見どころは、朱弥子を引き留める日出鶴。
好きだから側にいて欲しいと一言伝えれば済むのに、色々と理由を付け引き留める日出鶴が可愛らしくてほっこりするシーンとなっています♪
最終回はどんな結末を迎える?(考察)
朱弥子は日出鶴の恋の行方が気になる本作ですが、最終的にはどんな結末を迎えるのでしょうか?
個人的な考察としては…
- 朱弥子は日出鶴に溺愛される
- 朱弥子を虐げた家族は破滅する
物語の流れからして、日出鶴がキャラメルの男の子であることは間違いないと思います。朱弥子はまだ確信は持てていませんが、いづれにせよ気づく時が来るでしょう。
とはいえ、昔とはまるで別人みたいになってしまった日出鶴ですが、過去にいったい何があったのか…。その辺りが注目ポイントとなります。
また、朱弥子を虐げた家族、特に珠子の行く末も気になるところ。このまま珠子は黙っていないでしょうから、何かしら攻撃を仕掛けてくることでしょう。
『身代わり婚の処方箋』を読んだ感想
朱弥子の境遇に胸が締め付けられるような序盤から、日出鶴との出会い、そして二人の関係性の変化に目が離せなくなる展開でした。
10話までの時点では、日出鶴の正体がキャラメルの少年なのかは不明ですが、おそらく日出鶴こそ朱弥子の初恋の人で間違いないと思います。
まさか身代わりの結婚が、離れ離れになっていた二人を再び結びつけるなんてロマンティックですよね。それに使用人のちえさんもナイスキャラでした。
全体を通して、朱弥子のひたむきさ、そして日出鶴の優しさと冷酷さのギャップに、どんどん引き込まれてしまいますね。
朱弥子が過去の辛い経験を乗り越え、幸せを掴むことができるのか、そして日出鶴との関係がどうなっていくのか、今後の展開が非常に楽しみです。
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