漫画『さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放』は、ヒステリックな母親と無関心な父親の間で苦しんできた“みちか”が、毒親と決別し自分らしく生き始める物語です。
母親の感情に左右され、常に顔色を伺いながら生きてきたみちか。やがて母親の異常さに気付いたみちかは逃れようと足掻きますが…。
毒親のせいで人生を狂わされたみちかは幸せになれるのでしょうか。
【さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放】どんな物語?
作者 | みちか / リアコミ / kanata |
ジャンル | 女性漫画 |
出版社 | ガールスカウトコミックス |
レーベル | GSComic |
親ガチャ大外れの私
ヒステリックな母親に育てられたせいで、常に大人の顔色を伺いながら育ってきたみちか。
母からどんなに酷い仕打ちを受けても、父は傍観するばかりで助けてはくれません。
さらに成績優秀な兄・タダシは学業で忙しく、みちかを気にする暇などありませんでした。
母への違和感
みちかが初めて母の異常さに気付いたのは、中学生の頃に友人宅へ遊びに行った時の事。
友人とその母はまるで親友のようのような関係で、みちかの家とは正反対でした。
みちかの家では洋服や髪型も母に決められ、友人関係にまで口出しする始末。
周囲との違いに苦しみながらも、みちかにとって愛犬・ミルクと過ごすひと時だけが癒しの時間となっていました。
母の毒親ぶりは学校でも露呈し始め、中学生の頃の三者面談では優秀な兄の自慢をしながらみちかを罵倒する母の姿に、担任までもが言葉を失ってしまいます。
しかし、中学の卒業式後の母の無神経な振舞いに堪忍袋の緒が切れたみちかは初めて反論。
みちかの反抗的な態度に母が激高する中、父は変わらず無関心を貫いていました。
母との決別
みちかが高校生になった頃、タダシは大学進学のために上京。
母との二人暮らしに疲弊したみちかは、自分も兄のように家を出ようと思い始めます。
父に連絡をするとすぐに助けてくれ、実家を離れて父と同居生活を送る事になったみちか。
買い物中に家出を決行したみちかですが、父は動物飼育禁止のマンションに住んでいたためミルクを置いていくしかありませんでした。
父のおかげで母から離れられたみちかは、バイトをしながら自由な生活を満喫し始めます。
母からの連絡には無視を貫いていたものの、母はミルクを人質にみちかを連れ戻そうと企んで…。

【さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放】登場人物の魅力
みちか
ヒステリックな母親と無関心な父親に育てられた主人公。
幼い頃から母の言いなりだったせいで自分の意見が言えず、顔色を伺ってばかりの姿に胸が痛みます…。
母の異常さに気付いてからは、自分らしく生きようと足掻く姿を応援したくなりました!
みちかの母
少しでも気に入らない事があるとヒステリックに怒鳴り散らす毒親。
優秀な兄だけを可愛がり、みちかを罵倒する姿に腹が立ちます。
きっとこの母親にとって、子供は思い通りに動く人形のような存在なのでしょうね。
みちかの父
妻の異常性に気付きながらも、無関心を貫いた毒親。
みちかがどれほど苦しんでいても手を差し伸べる事なく、怒鳴り散らす妻に大音量のスピーカー音で反撃する姿に呆れてしまいました…。
母は確かに異常ですが、ここまで追い込んだ父親にも責任があると思います。
タダシ
成績優秀なみちかの兄。
母にとっては自慢の息子で、タダシの存在だけが心の拠り所だったのでしょう。
勉学に励む姿は優等生そのものでしたが、その本音が気になるところです。
【さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放】読んだ感想(ネタバレ注意)
ここからは、『さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放』を読んだ感想をご紹介します。※以下、ネタバレ要素含みますので、未読の方はご注意ください。
最初のハンデ
「親ガチャ」という言葉がありますが、親の存在は子供にとって最も大きな影響を与えるもの。
みちかの場合はまさに親ガチャ大失敗で、不自由な生活を強いられる姿に胸が痛みました。
金銭面での苦労はなくても、ヒステリックな母親と無関心な父親の板挟みなんて辛すぎます。
直接手を下したのは母親ですが、傍観し続けた父親の責任も大きいと感じました。
もっと早い段階で父が行動し、母に然るべき治療を受けさせていれば、違った結末になったかもしれませんね。
おかしな家族
この母親にとってみちかは搾取子で、タダシは愛玩子のような存在だったのでしょう。
タダシだけを可愛がり、みちかを蔑むその姿は虐待と言われても仕方ないと感じます。
幼いみちかは家族の異常性に気付いていませんでしたが、成長するにつれて自分の家族がおかしいと気付き始めるところがリアルですね…。
母親に逆らえない自分と比べ、親友のような親子を目の当たりにしたみちかは何を思ったのでしょうか。
友人たちが自由に青春を送る中で、何一つ自由に決められないみちかが益々気の毒になりました。
みちかの決断
高校生になったみちかは母親と離れるべく行動を起こしますが、父親にも罪悪感があったのでしょう。
すぐに手を差し伸べてくれたのはありがたいものの、こんなにも簡単に離れられるのならもっと早く助けてあげて欲しかったと思ってしまいます。
せっかく決別したのに、愛犬の存在をチラつかせ連れ戻そうとする母親にゾクゾク…。
母親にとってみちかは唯一思い通りになる存在で、娘に見放されたら一人ぼっちになると分かっていたのかもしれませんね。
終盤では母から溺愛されていたはずのタダシの本音も描かれており、考えさせられる展開に。
母親と決別し自分の人生を歩み出したみちかには、苦しんだ分幸せになって欲しいと思います!
まとめ
『さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放』について紹介しました。
ヒステリックな母親のせいで、不自由な生活を強いられていたみちか。
成長し母親の異常性に気付いたみちかは、大嫌いな母と決別すべく動き始めます。
毒親に苦しめられたみちかに幸せは訪れるのでしょうか。
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