漫画『狗月神社』【ネタバレあり感想】死者との交流を描くほろ苦いダークファンタジー

少女・女性コミック

今回は『狗月神社』を読んだので、その感想をご紹介します!

お願すると死んだ犬が帰ってくると言い伝えられている“狗月神社”を舞台に、大切な人にもう一度会いたい人々が織りなす心温まる再会を描いたオムニバス作品集です。

一人目の主人公・かずねは、自分の不注意で友人を死なせてしまったかもしれないと長年悩み続けていて…。

モモジ
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少し切ないダークファンタジーをお楽しみください!

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漫画【狗月神社】について

作者 水城せとな
ジャンル 女性漫画
出版社 小学館
掲載誌 フラワーコミックス / 月刊flowers

作品情報

漫画『狗月神社』は、ドラマ化もされた大人気漫画「失恋ショコラティエ」の水城せとな先生が描く話題作!

大切な人を亡くした主人公が、狗月神社の力を借り最愛の人とひと時の再会をする様子を描いた物語です。

誰もが“もう一度会いたい人”がいると思いますが、狗月神社はそんな禁断の願いを叶えてくれる不思議な場所。

2話完結の作品となっており、読み終わった後にはどこかしんみりしてしまうほろ苦い作品となっています。

大切な人を思い浮かべながら、読んでみてはいかがでしょうか。

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物語の内容(あらすじ)

地元を離れたかずねは、幼なじみの哲史と同棲中。

ある日、地元で開催される同窓会のお知らせを眺めながら、かずねは誰にも言えない悩みを打ち明けました。

子供の頃に友人とかくれんぼをしていたかずねは気弱な“よっちゃん”を古い廃屋の押し入れの中の長持に隠しますが、家族が倒れたと聞きその場を離れてしまいます。

その事をすっかり忘れていたかずねですが、なんとよっちゃんはその日以来行方不明に。

自分がよっちゃんを殺してしまったと思い込んだかずねは、死んだ犬が戻ってくると言われる狗月神社に必死にお祈りをしたのを覚えています。

哲史に慰められ元気を取り戻したかずねは同窓会へと向かいますが、そこで信じられない事実を知ってしまい…。

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【狗月神社】見どころ

作品を読んで個人的に感じた見どころ、「大切な人にもう一度会える場所」と「死者との交流」についてご紹介します!

大切な人にもう一度会える場所

今は亡き大切な人にもう一度会いたいと、誰もが一度は願った事があるはず。

そんな尊い願いを叶えてくれる場所があると知った主人公が、藁にも縋る想いで狗月神社に向かう姿に胸を打たれる展開となっています。

主人公の大切な存在は犬ではありませんが、もう一度会いたいという想いは同じ。

果たして狗月神社にまつわる噂は本当なのでしょうか。

死者との交流

死んでしまったはずの人が蘇り側にいたとしても、自分は気付く自信がありません。

現実離れした出来事が起こり、戸惑いながらも受け入れていく主人公の姿に引き込まれました。

各主人公は自分の不注意で大切な人を亡くしており、常に葛藤を抱えながら生きてきた人。

そんな彼女たちが現実と向き合えるのかが、最大の見どころとなっています!

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【狗月神社】読んだ感想・レビュー

『狗月神社』の感想をご紹介します。※ネタバレ要素を含みますので、未読の方はご注意ください。

不思議な神社

大切な人を失った主人公が、もう一度会いたい一心で神頼みしてしまう姿に共感してしまいました!

主人公の地元にある狗月神社に祈ると死んだ犬が帰ってくるそうですが、犬じゃなくても祈ってしまう気持ちは分かります。

特に1話の主人公・かずねは、自分の不注意で友人を殺してしまったかもしれないと悩み続ける女性。

もし友人が亡くなっていたら一大事なのに、名前すら朧げにしか覚えていないというところが子供らしくて失笑してしまいました。

驚きの真相

かずねが向かった同窓会で真実が明かされますが、取り壊されたと思い込んでいた古い廃屋は今も健在だったという展開に唖然…。

さらにはかずねの記憶がところどころ間違っている事も明かされ、亡くなったと思われた友人までもが登場し、心配は杞憂に終わったと思っていたのに。

ラストで明かされた驚愕の真実に、しばらく騒然としてしまいました。

幼いかずねは過ちを犯してしまったのか、信じられない真相に注目していただきたいです!

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三角関係の悲劇

3話は三人の幼なじみが織りなす三角関係について描かれており、失恋の末に拗れてしまった関係に複雑な気持ちに。

主人公が愛していたリョウは事故死してしまいますが、もし彼と結ばれていたらどうなっていたのかと考えてしまう気持ちも分かります。

リョウの事が好きだった紗良は無難な陸を選び、仲良しだった幼なじみは疎遠に…。

もう一度リョウに会いたいと願った紗良は狗月神社に向かいますが、どんな結末を迎えるのか気になってしまいます!

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【狗月神社】登場人物の魅力について

かずね

1話と2話の主人公で、幼なじみの哲史と同棲中。

自分の不注意で友人を見殺しにしてしまったかもしれないと悩み、誰にも言えない葛藤を抱えながら生きています。

殺してしまった可能性のある友人の名前すらはっきりと憶えていないあたり、少し抜けている印象も。

最後には信じられない真実と向き合う事になりますが、受け止める事ができるのでしょうか。

哲史

かずねの幼なじみで恋人。

穏やかな青年で、かずねの告白を聞き驚きながらも、優しく包み込んでくれる包容力のある男性です。

かずねを心から愛しており、冷え性の彼女を温めてくれる甘々な一面も。

どこか陰のある雰囲気がミステリアスで魅了されてしまいます!

紗良

陸とリョウの幼なじみで、3話の主人公。

本当はリョウを愛しながらも、失恋したくなくて陸を選ぶところに親近感がわきました。

陸と幸せな家庭を築きつつも、リョウを忘れられない姿に胸が痛みます。

紗良の幼なじみであり、良き夫。

リョウの気持ちを知りながら、紗良を奪われたくなくて告白した確信犯。

紗良と結婚していても、不安に押しつぶされそうになる姿がリアルで共感してしまいます!

リョウ

紗良と陸の幼なじみ。

紗良に想いを寄せていましたが、口下手で伝えられず陸に先を越され失恋。

2話冒頭で事故死した事が伝えられますが、きっとたくさんの後悔を抱えながら生きていたのでしょうね。

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まとめ

『狗月神社』について紹介しました。

狗月神社は、懸命に祈ると死んだ犬が帰ってくると言われる不思議な場所。

大切な人にもう一度会いたいと願う人々が、今日も奇跡を求めてやって来ます。

主人公と死者が辿る切ない物語をご堪能ください!

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