大正時代の華やかさと、身分の違いがもたらす重苦しさが交錯する『紅さす小指に婚姻を』をご紹介します。
運命的に出会った葉山家の兄弟との関係や、身分制度のしがらみに揺れる主人公の心…。キャラクターたちの成長や心の動きが丁寧に描かれていて、読み進めるほどに胸が熱くなります…!
今回は、本作を読んだ感想や、登場人物たちの魅力をまとめてみました!
『紅さす小指に婚姻を』基本情報
作者 | 山口恵 |
ジャンル | 女性漫画 |
出版社 | めちゃコミックオリジナル |
レーベル | 女の子のヒミツ |
『紅さす小指に婚姻を』は、山口恵先生が描く大正ロマン×恋愛ストーリーです!
山口先生は現代を舞台にした作品だけでなく、大正時代を背景にした物語も手がけており、衣装や小物、建物など細部までこだわった美しい作画も大きな魅力となっていますね。
そんな本作は、父の失敗で華族としての爵位を失った主人公の道子が、叔父の家に引き取られ、女学校に通い始めるところから物語が始まります。
しっかりとしたストーリー構成と、時代背景を活かしたレトロな雰囲気の中で、激動の日々を生きる道子のたくましさや、兄弟それぞれの個性が光る作品です!

『紅さす小指に婚姻を』1話~10話までのあらすじと感想をネタバレ!
ここからは、『紅さす小指に婚姻を』の1話~10話までのあらすじと感想をご紹介します。
1話~2話:没落からの運命の出会い
父親の失敗により爵位を失い、“没落華族”となった道子。両親の代わりに働きに出るものの、大した賃金は得られず…。
それでも両親からは、自分の身を売ってでもお金を持ってくることを迫られる日々を送っていました。
その後、母親の失踪をきっかけに、道子は父親のもとを離れ、叔父の家で養女になることを決意!
叔父とは「爵位の高い華族に嫁ぐこと」を条件に契約を交わし、女学校に編入します。
そして、そこで出会った葉山伯爵家の兄・栄人から、思いがけずプロポーズされてしまい…!?
3話~4話:突きつけられた条件!
葉山伯爵家の次期当主・栄人から求婚された道子。戸惑いながらも、後日正式に話をするため葉山家に呼ばれることになります。
ドキドキしながら迎えを待つ道子でしたが、迎えに来たのは栄人ではなく、弟の譲でした。
女学校での初対面の印象が悪かったこともあり、道子は思わず身構えてしまいます。
そんな彼女に対し、譲は「栄人が結婚を申し出た理由」を明かしたのです。
さらに、道子には栄人たちの両親から「1年以内に跡継ぎを産むこと」という厳しい条件が課せられ…!
5話~6話:栄人の抱える思い
正式に栄人との結婚の話が進み、道子は花嫁修業として葉山家で暮らすことになり、譲が“見張り役”として彼女を監視する日々が始まりました。
葉山家で気を遣ってしまう道子の様子を見た栄人は、「自分には気を遣わなくてもいい」と声をかけます。
道子は思い切って「栄人と一緒の部屋で過ごしたい」とお願いし、ドキドキしながらベッドに横たわりますが、栄人からは思いもよらない言葉が…!
そこで彼の思いを知った道子は、譲にも相談を持ちかけますが…。
7話~8話:譲からの提案と決意
栄人との今後について譲に相談した道子でしたが、思いがけず彼から「自分の女にならないか」と提案されます。
しかし、彼女はそれをきっぱりと拒否!
譲の言葉に気分を害した道子は、彼の監視をかいくぐり、一人で散歩に出かけます。
そんな道子は街中で、女学校時代のクラスメイト・キヨに声をかけられ、話をすることに。
一方、譲は栄人から彼の本心を聞いていました。
そこで道子への思いを知った譲は、道子に「全員にとって最良の道を一緒に考えよう」と提案するのでした。
9話~10話:道子の新たなる挑戦!
もし華族との結婚ができなかった場合に備え、叔父への違約金を稼ぐため、道子は働くことを決意します。
以前、偶然出会ったキヨから誘われた雑貨屋が引っ越しのため店じまいをするとのことで、その店を任せてもらうことになったのです。
道子の考えを聞いた栄人は快く了承し、譲の協力も得て、まずは店の準備を進めることに。
譲は当初、道子の考えが理解できないと思っていましたが、自分の運命を変えるために行動する彼女に、次第に心を惹かれていて…。
【結末予想】『紅さす小指に婚姻を』の最終回はどんな展開を迎える?
本作の結末として考えられるのは、「道子が譲と結ばれ、“自分らしい幸せ”を手に入れる」展開です!
現時点では、結婚には興味がなく、道子の幸せを願っている栄人と、次第に彼女に惹かれていく譲という関係が描かれていますが、今後は栄人も一所懸命な道子に心を動かされる可能性がありますね。
また、道子は譲と一緒にいるときの方が自然体でいられるように感じます。
最終的には、道子が自分で選んだ道を歩み、譲とともに新しい人生を切り拓く結末が期待できそうです♪
一方で、葉山家の厳しい条件や身分差などの障害も多く、大正時代ならではの“縛り”の中で三人の関係性がどのように変化していくのか、波乱の展開が予想されます。
三人の関係は今後どのように変化していくのでしょうか?
登場人物の魅力について
道子(みちこ)
華族としての権威を失い、“没落貴族”となった本作のヒロイン!
最初は家族に振り回されるだけかと思いきや、「自分で未来を選ぶ」という意志がどんどん強くなっていき、父親に見切りをつけて叔父の養女となり、新たな人生を歩み始めます。
道子の最大の魅力は、逆境にもめげず自分の道を切り開こうとする強さと、現実を冷静に見つめる賢さです。
“身分制度”のしがらみに縛られながらも商売に挑戦するなど、自立心も旺盛!
恋愛においても流されることなく、自分の気持ちとしっかり向き合う姿が印象的でした。
葉山譲(はやま ゆずる)
葉山家の次男である譲は、兄・栄人の婚約者である道子に惹かれていく、本作のキーパーソンです!
葉山家に生まれたことによる苦しみを背負いながらも、栄人を大切に思っているため、道子への想いに葛藤する姿が描かれています…。
道子への想いと栄人との関係の間で揺れ動く譲の姿はとてもリアルで、彼の成長や決断にも注目したくなりますね。
一見すると冷たく見えるものの、実は優しく思いやりがあり、道子のことを陰ながら支えてくれる魅力的な存在です!
葉山栄人(はやま えいと)
葉山家の長男で、突然道子にプロポーズして婚約者となった、もう一人のキーパーソンです。
いきなりの求婚には驚かされましたが、実は葉山家の長男として強い責任感を持ち、家族の期待を背負いながらも道子に誠実に向き合います。
時に厳しい現実を突きつけることもありますが、道子や譲を大切に思う気持ちがじわじわと伝わってきて、包容力と不器用さのバランスが絶妙なキャラクターです!
まとめ
大正ロマン漂うラブストーリー『紅さす小指に婚姻を』をご紹介しました!
突然の求婚や厳しい条件が課せられる中、自分の人生を歩むために悩みながらも前向きに進んでいく道子の姿が印象的です。
道子と譲、そして栄人、それぞれの想いの行方から目が離せませんね!
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